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坂田電機センサの原理、特長【差動トランス】
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坂田電機センサの原理、特長

ひとつひとつのセンサに、高度な技術とノウハウを注ぎ込み、正確なデータと信頼を獲得します。
坂田電機の各種センサは、差動トランス方式をメインに構成されています。
土木建築の現場で使用される計測機器には、環境や使用条件などにより、丈夫で正確なデータが得られることが要求されます。
坂田電機の差動トランス型センサ製品は、そうしたお客様のご要望にお応えします。

差動トランスの動作原理と特性

差動トランスは、機械的変位を相互インダクタンスの変化として変換する素子で、ボビンに巻かれたコイルと非接触状態の鉄芯との相対変位が電気出力となります。

差動トランスの基本形は、コイルと鉄芯によって構成されています。コイルには1次コイルと2次コイルがあり、1次コイルは交流電源により駆動され、二つの2次コイルは対称に巻かれ、逆接続されています。ドーナッツ状に巻かれたコイル中央の空間には、非接触状態に保たれる鉄芯が挿入されており、この鉄芯とコイルの相対位置の変化により、二つに分かれた2次コイルの、1次コイルに対応する相互インダクタンスが変化します。

差動トランスの動作原理(図1)

鉄芯がコイルの中心にある状態では、1次コイルに対する上下両2次コイルの相互インダクタンスが等しいので、両コイルの出力電圧は等しく、また位相は互いに180度異なるので、結果的に出力電圧はゼロになります。鉄芯がコイルの中心からずれると、上下二つの2次コイルの、1次コイルに対応する相互インダクタンスは、片側が増し、片側が減少するので、出力には両コイルの誘起電圧の差に相当する電圧が生じることになります。この出力電圧は、差動トランスの動作範囲内では、変位に対して高い直線性を示します。

坂田電機の差動トランス型センサは、この原理と特性から、より実用的な形への改良がなされています。

差動トランス型センサの基本構成(図2)

差動トランス型センサの基本構成(図2)

温度変化に強く、ケーブル長変更も自由

坂田電機の差動トランスは、温度変化によるコイルの内部抵抗変化、駆動電圧の変化、ケーブル長変更等による出力変化を、差動トランス自身で補償する構成になっていますので、耐環境性の高い安定した変換器となっています。

一般には、差動トランスの2次側に誘起する電圧は、1次コイルに流れる電流に比例するものなので、温度変化によるコイルの内部抵抗変化、駆動電圧の変化、ケーブル長の変化などによって、2次コイルの出力電圧が変化する可能性があります。

差動トランスの回路構成(図3)

差動トランスの回路構成(図3)

つぎに、坂田電機の差動トランスの回路構成を(図3)を参照に説明します。
1次コイルに対して、上下両部分に対称に巻かれた2次コイルの中点から両側の電圧をそれぞれA、Bとします。電圧Aと電圧Bの差(A-B)は、鉄芯がコイルの中心にある時ゼロであり、鉄芯が中心から移動した時には、A,B両誘起電圧の差に相当する値を示し、その大きさは鉄芯の移動量に比例します。

一方、電圧AとBの和(A+B)は、鉄芯の位置と関係なく常に一定の誘起電圧を示します。この差動トランスで1次コイルに流れる電流が変化したときの出力電圧(A+B)は、出力電圧(A-B)に比例して変化します。したがって(A+B)に対する(A-B)の出力電圧の比は、1次コイルに流れる電流と無関係に一定となります。

つまり、A,B両出力電圧の差と和の比(A-B)/(A+B)は、鉄芯のコイルに対応する相対変位を表し、しかも1次コイルに流れる電流とは無関係になります。

坂田電機の差動トランス型変換器の実用回路は、基本的に上記の方式を採用していますので、耐環境性が非常に高く、現場計測器として優れた変換器となっています。

ノイズに強い。

差動トランスは、コイルと鉄芯の設計次第で変換範囲を自由に選べる点が特長です。圧力計、荷重計、鉄筋計やひずみ計に使用される差動トランスでは、数10μm~100μm程度の微小変位において、大きい出力電圧を取り出すことのできる差動トランスが用いられ、変位計などでは、mmオーダーから数100mmオーダーの大変位にわたって、直線性のよいセンサが構成されています。差動トランスの出力電圧は、各種センサのフルスケールに対して、100mV程度で、この変換効率は、ワイヤストレンゲージのおよそ10~20倍に当たります。

また、これを駆動電圧に対する変換効率でみると、大変位変換器では50%、圧力計のような微小変位変換器でも、2~5%の変換効率を持っています。(ワイヤストレンゲージの場合、0.1~0.2%が一般的)したがって、長大ケーブルによってデータが伝送される計測現場において、ノイズの影響が少なく、高い分解能を確保することができます。

ダイナミック測定に力を発揮。

差動トランスで構成されたセンサは、変換の心臓部が非接触状態なので、機械的な接触面がなく、長期の使用に当たって、変換部のはく離や破損の心配がありません。

また、接触部分がないということで、変化量を連続的に検出する点で優れています。この特性は、変換効率が高いことと相まって、ダイナミック測定において、特に重要な特長といえます。

絶縁低下に強い

差動トランスは、変換効率が高く、出力電圧が大きいので、絶縁低下の影響が小さくなっています。 測定精度を保つために許される、絶縁抵抗の標準的な限界は、ワイヤストレンゲージの場合、50~100MΩであるのに対し、差動トランスは、1MΩ程度となっています。

土木計測現場では、ほこりや湿気の影響が避け難い問題なので、絶縁低下の影響が小さいことは、大いに利点となりますので、土中や構造物内に設置した後も長期安定した計測が継続できます。

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