河川状況の適切な管理、洪水時の早期避難に役立ちます
中小河川において洪水監視に特化した、低コストな水位観測システムをご紹介します。
システム概要図
国土交通省 革新的河川管理プロジェクト参画製品、
坂田電機、NTTドコモによる共同開発
国土交通省策定「危機管理型水位計の観測基準・仕様」に準拠した自律型の水位計
特 長
- 水位計、LTE携帯回線、電源全てが一体化されており、現場での設置が容易です。
- 河川水位が警戒水位を超過した場合に、メールにより通知します。
- 水位データは、クラウドサーバーに蓄積し、お手持ちのスマートフォンやPCからいつでも確認可能です。
- 水位計には、弊社で多数の稼動実績のある耐環境性の強い水圧式水位計を採用しています。
国土交通省革新的河川管理プロジェクトとは?
中小河川における水位観測説設備においては、設置・維持監視コストの克服が課題となっています。
このため国土交通省では、洪水時の水位観測に特化し、機器の小型化や通信機器等のコストを低減した水位計「危機管理型水位計」の開発を行いました。
坂田電機・NTTドコモチームは、2016年10月に始動した本プロジェクトに参加し、2017年12月に実証実験を終え、技術仕様適合の評価を受けました。
危機管理型水位計の特長
- 長期間メンテナンスフリー(無給電で5年以上稼動)
- 省スペース・小型化(橋梁へ容易に設置が可能)
- 維持コストの低減(クラウド集約により管理コストの低減)
現場実証実験の結果
鶴見川水系鳥山川に水位計を設置し、鳥山水位観測所の観測データと比較しました。
実証実験の結果、技術仕様に適合する評価を受けました。
現場実証実験で得られたデータ例
製品
①太陽電池型
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耐用年数 |
5年以上 |
ロガー機能 |
2300データ保存(上書き有) |
時刻補正 |
DoCoMo LTE回線より取得 |
サイズ |
H408×W300×D152(mm) |
対応クラウド |
国土交通省クラウド |
質量 |
9.0kg以下 |
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②リチウム電池型
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耐用年数 |
5年以上(5年で要電池交換) |
ロガー機能 |
2300データ保存(上書き有) |
時刻補正 |
DoCoMo LTE回線より取得 |
サイズ |
H408×W300×D152(mm) |
対応クラウド |
国土交通省クラウド |
質量 |
7.0kg以下 |
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水位計本体
①水圧式水位計
弊社の水圧式水位計は、高い計測精度・長期耐久性が特長です。
変換方式に差動トランスを採用しており、温度変化、ノイズ、絶縁低下に強く、耐環境性・耐雷性強いセンサとなっています。
差動トランスは非接触式変換方式であるため、破損の心配が少なく、長期運用に適しています。
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主な仕様
測定範囲 |
10m |
変換方式 |
差動トランス |
最小読取単位 |
1mm |
計測精度 |
±0.1%F.S(1cm) |
使用温度範囲 |
-30℃~+80℃ |
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※寒冷地対応品も有り。 |
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②超音波式水位計
センサ側から発信した超音波を水面で反射させ、受信までの伝達時間から水位を検出するセンサです。 橋梁等に設置して水位を計測します。 超音波式水位計は、非接触式であるため設置が簡単です。 水中浮遊物や堆積物などの影響を受けないのも特長です。
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主な仕様
測定範囲 |
10m |
最小読取単位 |
1cm |
計測精度 |
±0.3%F.S.以内 |
使用温度範囲 |
-30℃~+50℃ |
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※寒冷地対応品も有り。 |
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③電波式水位計
センサ側から発信したマイクロ波を水面で反射させ、受信までの伝達時間から水位を検出するセンサです。超音波式と同じく非接触式の水位計ですが、こちらは測定範囲が長いこと、水面付近の大きな温度勾配での計測に強い、という特徴があります。
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主な仕様
測定範囲 |
0~20m |
最小読取単位 |
1mm |
計測精度 |
±10mm |
使用温度範囲 |
-20℃~+70℃ |
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【現場実績】
2018年03月
某所において、IoT水位計(危機管理型水位計)を用いた河川増水監視の実証のために設置を行いました。
2018年02月
東京都内の河川整備工事において、豪雨時の水防体制/大雨による急激な河川増水監視のためにIoT水位計(危機管理型水位計)を設置しました。
【IoT水位計設定ソフト】
国交省で整備を進めている危機管理型水位計は、国交省クラウドから計測条件などの測定用パラメータを取得することで、水位計算が行えるようになります。
初期設置時や通信環境が整う前に、直接測定用パラメータを設定することで事前に水位を確認するための設定ソフトを準備しています。
【カタログ / お問合せ】